本当に服好きな人が服を作ると、「作る側も履く側も楽しい、意図あるものづくり」になる!
ということで、本日はBOBSON期待のホープ、菅原さんにお話しを伺いました。
職人としてはもちろん、これから企画も手掛ける「未来志向」を持ちつつ
気に入って買った服は名前の由来を調べてみたり、服作りの意図を大切にしたりと、「ファッションの背景」も大事にするという大の服好きでもあります。
今回は「No.1研究熱心」の職人、菅原さんにせまります。
好きが高じてアパレル店員から職人の道へ
菅原さんにお会いした時の第一印象で、お洒落な方だと感じましたが、以前からファッションに興味があったのでしょうか?
BOBSON菅原さん
ファッションは自分のテンションを上げるために絶対に必要なものだと考えています。
僕は埼玉出身なのですが、東京でアパレルの販売員を5年していました。
アパレルの仕事に就いた時は、接客が好きだとか、安く服を買いたいとかは考えておらず、純粋に勤務先のブランドが好きという一心でした。
なぜジーンズの職人さんになろうと考えられたのでしょう?
BOBSON菅原さん
多店舗集合型の勤務地に配属になった際、他ブランドの方々との交流が増えた時期がありました。
偶然にも同年代が多いフロアだったので、店長になる方や、不動産屋さんなど全く違う場所に転職する方、実家の家業を継ぐ方など、様々な道があることを目の当たりにし、自分の将来についても考えはじめたんです。
環境の変化が、「自分には、一つのことを黙々とこなす仕事が合っている」と考え直すキッカケになりました。
加えて、ボトムスを販売することが一番得意だったことも理由のひとつです。
実際に履いた感覚や、実用性、製法のこだわりなどをお客様へに伝える中で、「ジーンズ職人になろう」と考えていました。
「ジーンズと言えば児島だ!」と一念発起
どんな流れで岡山県に来られたのでしょうか?
BOBSON菅原さん
「ジーンズと言えば児島だ!」と考えて岡山県にきました。
その後は、児島のジーンズストリートまで足を運び「未経験でも入れる工場はどこですか」と自分の足で探し回ることに。
無事に倉敷のとあるジーンズ縫製工場へ就職でき、約5年しっかり働きました。
縫製工場で働き始めた際の苦労を教えて下さい。
BOBSON菅原さん
縫製の業界は1mm、2mm単位での修正があり最初は苦労しました。
埼玉出身ということもあり、岡山独特の方言を違う意味で解釈をしてミスをしたことも今では良い思い出です。
もらった指示通りに仕事をしたはずが、意味をとらえ間違えているなど、コミュニケーションでは苦労しましたね。
BOBSONに来られたキッカケを教えて下さい。
BOBSON菅原さん
前職では、デザインや裁断も終わったデニム生地をジーンズの形にするという縫製だけの仕事をしていました。
最初の3か月はベルトループをただただ縫い続ける作業が続き、こんなことをするために岡山県に来たわけではないと考え始めたんです。
その後は、自分の一日分の仕事を半日で終わらせるよう心掛け、他の担当の方の手伝いを自ら進んで行う様にしました。
ポケットやファスナー部分など、他のパーツも縫い方が分かるようになり、さいごにはジーンズ一本を自分の力だけで完成させることができるまでになり、自主製作で約30本のジーンズを作る「修行」もしました。
そして、満を持して転職を始めたところ偶然BOBSONを見つけたのです。
BOBSONの最初の印象は「アメカジに強いブランド」という認識でした。
調べてみると、若者向けのラインや定番のデザインもあり、分け隔てなく誰もが履きやすいものづくりをしている、伝統ある会社なのだと分かりました。
B-1969-XX-G セルビッチデニムジャケット Gジャン Type 3 Selvedge Denim
服好きが考えるBOBSONの魅力
働き始めてから感じた「BOBSONの魅力」を教えて下さい。
BOBSON菅原さん
BOBSONはデザイン、パターン縫製、が一貫性しているため、「どうしてこのジーンズを作るのか」という意図が分かります。
聞ける人もいるし、デザインもパターンも手元にある。
一方、OEM(製品製造受け)の場合は指示書があるだけで「このデザインにする意味ないのでは?」と思った場合、誰かに聞いたり、改善策を提案したりすることはできず、言われた通りに仕上げるだけです。
意見が言いやすい職場だからこそ、商品にも「BOBSONのこだわり」が反映されていると思っています。
BOBSONのすべての商品には「製作者の意図」があるということでしょうか?
BOBSON菅原さん
はい。BOBSONに来てから、自分が質問したことについて抽象的なアンサーは一つもなかったのが印象的でした。
全てに具多的な意図を持ってものづくりしていると感じましたね。
例えば、ベルボトムのヒップアップ効果。
BOBSONのベルボトムはポケットの位置をわざと高めに縫ってあり、履いた方のお尻がぐっと持ち上がってみえるように工夫があります。
なので、腰の部分もタイトに仕上げられています。
フレアパンツは裾が広がっているので、ウエストまで広がったシルエットにすると瓢箪のような形になってしまいます。
ポケットひとつ、縫い方ひとつにも「意図」を込めることで、履いた時のラインが美しく「おしりが綺麗に見える!」感動してもらえます。
商品のひとつひとつに意図が隠されているのがBOBSONの魅力ですね。
なるほど。意図があるということは履いた方の反応や、その先のことまで考えているわけですものね。
そういったディテールは、一般の方はわかりにくいかもしれないですが、
ヒップアップ効果の様に具体的な例を挙げて下さると「本当だ!」と感動しました!
貴重なお話をお聞かせ下さり、ありがとうございました!